記事一覧

No.3412 心無い言葉の凶器と化すSNS

2021.05.09

 ようやく花冷えが遠ざかり、初夏が感じられる陽気となってきました。残念なのは、季節は移り変わってもコロナ情勢が引く気配を見せないことです。

 SNSいわゆるネットの書き込みをめぐって今大きな話題となっていることがあります。これには、怒りと悲しさ以外に湧き出る感情はありません。
 すでにこの状況は、表舞台の報道対象にもなり始めましたので、多くの国民が知るところとなっています。
 日本水泳会の期待の女子選手である池江璃佳子選手に対する「五輪辞退のススメ」というSNSへの書き込みです。これに対して、当の池江瀬選手は心悲しくなるような切ない思いを、数回に分けて長文に綴っています。
 死をも覚悟しなければならないようなどん底に落された3年前の病の宣告から、奇跡とも思われる復活を遂げ、先の日本選手権で4冠という成果を成し遂げた池江選手。治療中の激やせの姿からは、この復活劇を予測した人は少なかったのではないでしょうか。肉体の低下はおろか、命までが案じられた危機からの脱出は記録と記憶に称えられるべき偉業だと確信します。その復活の後ろ盾となったのは自国で開催されるオリンピックという目標をあきらめなかった純真なスポーツ精神があったからではないかと思います。
 それを・・・辞退すべきだとはどの口が、どんな思考で言えることなのか!

 時を同じくして、弁護士の宇都宮健児氏が五輪反対の署名運動の先頭に立ち(立たされ?)SNSを通じて10万人の賛同者があっと言う間に集まったという反日デジタル新聞の報道がありました。宇都宮氏と言えば、先の東京都知事選に共産党、立民党、社民党の推薦を得て2度目の立候補をした方です。
 最近、差別問題をテーマにした署名運動がSNSを通じて行われるパターンが通常化しています。とくに詳細は申しませんが、差別を材料にした逆差別が一般化している現状が垣間見えると感じています。その署名数値もほぼ10万から20万の中で定数化しています。
 こうした状況から、コロナも、オリンピックも、そして差別問題も、政権打倒を唱える反日思考の政局の対象となっている様相は、ひとえに確実に近づいている総選挙を意図したものと感じる次第です。

 オリンピックは我々が賛否両論持つにせよ、選手個人に辞退をしろなどと言うべきものではありません。開催の可否は関係各位、関係組織が決めることであり、それに従うことでしかありません。世論の片寄った動向による盛り上がりで開催が中止になるのは選手にとって悔やんでも悔やみ切れないはずです。
 Blood Sweat&Tearsは生易しい精神で流すことは出来ないのですから。