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No.3406 木を見て森を見ず論

2021.04.22

 今どきの早朝ウォークの利点は、ベストな体感温度で、静かな自然に触れることが出来るということではないでしょうか。幸手は、観光的な意味で自然豊かとは言いにくい土地柄ですが、歩いてみればそれはそれ、そこかしこに新鮮な息吹が感じられます。とくに初夏の空気は幸手に限らずどの地にあっても秋の紅葉とはまた違った魅力があるものだと思います。
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紹介のショットはポピー1輪が昨日、カモ1羽が今朝のもので、どちらも6時前のものです。カモは我が家を出てすぐの偶然の出会いで驚きましたが、1時間後戻ってきたら少し離れた場所で2羽のツガイになっていました。まるで飼われているかのように門前あたりをアチコチ行き交いして、こちらがご挨拶にと近づくと一定距離を保ってつかず離れずの調子。距離感のたくましさは相当なものです(笑)

 さて、香日向バスの話題になりますが、「枝久保さーん、沢山乗ってますよー」とか「代わりにやってくれる会社探してくださいよ」「これから私たちが利用し始めるところだったのに」という声を直々に伺います。気持ちはわかりますとしか言いようがありません。
 要するに、ブログやレポートに書いているように、ここまで運行してくれた民間会社がやむに已まれずの運行休止であるということが前提にあるわけです。赤字を他の事業で穴埋めしながらのやりくりで継続していたことを考えると、他の会社とはいうものの同業者は1社しかありませんし、そもそも、この路線が確実に有益な路線としてマークしたなら、もっと早くから目をつけていたはずなのです。
 これから利用する予定だったというのも、高齢化や免許返納を意図した声だと思われますが、買物や通院で週に数回利用するのは経営的には計算できないことでしょうし、旅行の際に便利だったというのも利用者の都合としては理解できるものの、経営論理においてはいかがでしょうか。慈善福祉的発想は経営側として最優先出来る要件ではないというのは、民間に身を長く置いた私としても理解の範囲です。
 決定的なことは、平日毎日必ず一往復してくれる安定利用者が激減したということです。地域人口自体が4分の1減少しているのですからこれもやむを得ないことです。
 朝のある便に大勢乗っていたからまだ脈はあるんじゃないかという声もあります。しかし、これこそ木を見て森を見ずの思考です。私が火曜日から金曜日の週4日、毎朝7:15~7:40頃まで登校パトロールをしている時に2度バスが通過しますが、最初のバスは確かに6人から10人程度の利用者がいます。しかし、その次のバスは2人ないし3人程度で、時にはゼロの場合もあります。つまり、一便だけ多いからといって希望をつなげる状況かどうかと言えば、それも会社側で長い期間をかけて結論を出すにあたって確認しているのです。各便ごとに運行チェック表を作成しているのですから。まさに、木を見て森を見ず論と言うべきものです。
 バス路線の継続または肩代わり論はもはや現実的ではないと言うしかありません。しかし、何か考えると言うのは、習性的なものとして連絡を受けた瞬間から感じていることなので、大衆迎合ポピュリズムの観点ではなく、大衆の為にあるという議員の矜持にしたがって、いろいろなことが頭をよぎっているのは事実です。

 話変わって今夜は、こと座流星群が出現する晩だそうです。すでに最も多く現れる22時まで3時間を切っていますが、月明かりの関係で見やすいのは深夜3時前後だそうです。まさかその時間まで起きていようとは私自身思いませんが、よろしければ10時過ぎに東の空を眺めに出かけてはどうでしょうか。
 木を見て森を見ずよりは、ひと時の夜空に目をやり天体ショーに魅了されるのもオツなものだと思いますよ。森より広大な夜空には星しか見るものはありませんから。