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No.2180 あきらめ感の強かった控訴

2012.05.10

 ある意味、大逆転の控訴ともいえる結果が期限日前にくだされた。多くの国民はこの裁判の判決に対して、政治資金に関わる政治家の犯罪確定の難しさへの厭世観を感じていたことと推測する。なぜなら、報道からの予測では控訴もないだろうという見方が大勢だったからだ。
 ところが、あにはからんや・・・である。指定弁護士の3人は意地を見せてくれた。もはや控訴後の結果は望まない。「有罪であるが無罪」といった中身判決趣意では到底納得できないのは当然のことだ。

 私は民主党および小沢氏グループのここまでとってきた手法に大きな問題があると感じている。
◆秘書たちの一連の捜査や小沢氏からの事情聴取などに対して、民主党内弁護士議員を中心に検察手法への可視化法案が取りざたされた。人権をタテにしたことも民主党らしさだった。当時、検察の不始末がいくつか発露したことも原因だったとは思う。冤罪の文字が新聞や画面におどったのもこの頃だったと思う。司法に関する出来事がこの時期集中した。菅原さんの冤罪などもまったく事情が異なるにもかかわらず、裁判の在り方や検察捜査の在り方の観点から政治裁判に、民主党対応に加勢したように思う。
◆判決日の3日前だったと思うが、小沢グループは突然、検察審査会の逆審査を秘密会で行いたいとの申請をした。この結果がどうなったかは不明だが、これもタイミングを意識した、いわゆる卑怯なやり方だ。裁判への影響を目論んだのかどうか・・・。こんなことが秘密会で行われる時代であるはずがないと感じたものだ。いよいよ小沢氏救済のためにトチ狂ったチュルドレンたちよ!親子の絆はどこまでいっても何にも勝るのかといった姿だった。
◆そして、今回の控訴期限日到来前の党員復権騒動だ。これには反小沢グループも抵抗力が一気に弱まったことを証明した。これには、日本の政治の今後がどうなってしまうのかという考えが頭の中で渦巻いていた。鳴門のそれどころではなかった。
 これも民主党の指定弁護士に対する「もう控訴するな!」というおごった狙いが見え隠れした。そうであったと確信している。

 まさに常軌を逸した民主党、ちぐはぐな民主党なのだが、志の異なる、もしくは厳しいようだが志があるのかどうかも見えない議員が結集した野合の政党だということを再認識した次第。民主党どうこうより自民党嫌いの方には批判をいただきそうな内容だが、あくまでも民主党という党だけを直視した場合、ここに至ってはそれをかばう材料は希薄になったとしか言いようがないのではないだろうか。