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No.2178 竜巻惨事は珍しくなくなった

2012.05.06

 前号で書いた幸手市内の道路冠水被害は、2日未明に降った雨量により関東の広範囲で大きな被害を発生させていた。GWイベントも春日部では庄和宝珠花の大凧揚げ祭りが、大人の胸ほどまでの増水により中止になるなど、各地で中止が相次いだ。
 
 昨日はほぼ一日五月晴れだったが、今日はまた大荒れ。それも降ったり止んだり程度のものではなく、強烈な悪天異変が各地を襲った。つくばの竜巻被害では死者もでたが、竜巻と言えば北海道での数年前の大災害が記憶にある。
 とはいえ、もともと竜巻はアメリカ大陸特有の気象現象という認識が深く、砂塵を上げて猛スピードで木々をなぎ倒し、家屋、車、牛馬家畜を巻き上げる光景は、カリブ海のハリケーンと並び、アメリカの災害は規模が違うなあと子供ながらに見入っていたものだ。それがなんのなんの・・・。
 画面で見るつくばの竜巻はそれ自体が高さも幅も驚異だが、その後の被害状況はまさに惨事だ。数階建ての集合住宅が見える限りすべてのガラスが破壊され、ベランダの格子なども原型をとどめていない。
 落雷感電死も年々増えている気がするが、晴れから突然雷雨へと変わる最近の急変気象では、公園や広場で遊んでいた家族が、まずは雨をしのぐ意識から大木の下に一時避難してしまうのは十分理解できることだ。そこにドーンとくるのだからたまらない。

 
 厳しく長い冬を越えて、恋しかった緑が芽吹く季節になり、まさに行楽日和の週末に、今まで記憶に少ない異常気象で大災害に見舞われるなど、少なくとも私の想像の範囲外だった。もはや異常気象は常に起こるものだという認識を叩き込み、いらぬ先入観は捨てなければいけない。
 頭上で何が起こってもそれは地球環境が変わったことによる新しい時代の気象現象であり、しかもそれは人類の欲望が原因なのだと・・・そうでも考えないと、それを防ぐ方法など身につかないということを。