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No.3105 昨今の選挙事情

2019.04.10

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 統一選挙年の初陣は全国各地で様変わりな展開がみられました。人の人生とはわからないものだなあとつくづく感じるのは新北海道知事に当選された鈴木直道さんです。都総務部総務課主任から内閣府地域主権戦略室に出向し、夕張市行政参与を経て財政破綻が深刻化していた夕張市長選に当選。その後、2期8年にわたり同市を総合的フィルムコミッションなどで活性化させたり、雪害や地域医療対策などに着目し、市民の賛同を得るまでに至った。
 今回、圧倒的な道民指示を得て若干38歳の若さで知事に就任することになったのですが、埼玉県春日部市の生まれで県立三郷高校の出身ということもあって親近感を覚える青年知事の誕生となりました。
 鉄道廃止が相次ぐ北海道の今後は、都市部以外の行政の在り方が問われることになるはずです。
 鈴木さんのような新進気鋭の政治家が誕生することは政治的には日本の未来にとって好材料ではあるのですが、県議選では無投票選挙区の多さが際立っていました。議員に魅力がないのか、メディアが伝える政治に魅力を感じないのか・・・いずれにしても寂しいことこの上ありません。政治は若ければいいというものでもないし、さりとて超老齢政治家の存在も考えものです。少なくとも、7期定年制とか78歳定年制といったサラリーマン社会のような定年制にするべきで、それにより広くバランスをとる必要があるように思うのですがね。そうであれば、条例破りだなどと騒動が起きる原因になる条例を作る必要もないし、条例が選挙公約に利用されることもなくなります。なにしろ、昨今の選挙は有権者の気を引くポピュリズム公約選挙が横行して、具体的な活動指針を訴える選挙とかけ離れつつあります。
 ところで、幸手市の市議選が無投票になるやもしれぬとの噂があります。市町レベルでの議員選挙が無投票というのはいろいろな意味で問題です。政治の質の低下はていたらくな国政の影響で市町にまで及んでいるという国政への責任転嫁論ではなく、自治体そのものの政治の在り方が問われる大問題だとの認識を市民全体で共有したいものだと思います。