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No.3020 理由はどうあれ鬼畜行為

2018.08.15

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 県内草加市でまたむごい親による実子虐待事件が発生した。死には至らなかったものの生後8カ月の女子を寒い1月にトイレに放置した24歳の母親の心理とは・・・。今年の冬はここ数年なかったほどの記録にも記憶にも残る寒さだった。
 悲しいことだが「子育てがうまくいかず、可愛いと思えなかった」などという理由があっていいのだろうか! 我が腹を痛めた・・というか10カ月も間、分身がごとく成長させ、世に産み出でた我が子を可愛くないという理由が成立するのであれば、なぜ産んだのかという人間本能の原点に戻ってしまうではないか。2歳になる長男もいることからして親としてすべてに異常性を示しているとは思えない。表に出ないよほどの事情があるのかもしれない。
 しかしである。
 この女の子は寒さの結果、両足に全治3ヵ月から6ヵ月の凍傷を負い、左足の親指と中指が壊死し、切断せざるを得なかったという。むごいことこの上無いが、更に酷いのは全身に約20カ所の骨折があったという。まさに命あってのなんとやらを8カ月の乳児に背負わせた親。これこそが、日々虐待の手をかけていたという証しである。可愛くないとか子育てに疲れたという言い訳どころの話ではない。単なるネグレクト的子育て放棄だけであるなら情状酌量の余地があるやもしれぬが、それとて親の責任としては最低のものと評価せざるを得ない。
 「生活上の問題も含め、子育てに悩む母親の皆さんに申し上げたい。こうした際の相談窓口に出向けば、まずは子育てストレスから解放されるかもしれません。何が貴女の救いになるかは人それぞれかもしれませんが、自分ひとりで悩まないことが大切です。頼れるものは全てに頼り甘えることは恥ずかしいことではないんだと考えてみましょう。貴方に甘えることしか出来ない子どものために!」
 そう思って、草加市の児童虐待に関するホームページにアクセスしてみた。タイトルは「児童虐待をなくしましょう」その下に至極当然の文章が5行ほど付き、更に相談窓口として草加子育て支援センターと越谷児相草加支所の住所電話、開所日などが紹介されている。驚くことに、この更新が2012年1月23日となっている。つまり、6年半も内容構成を変えていないのだ。この間、ここに至るまで児童虐待でどれほど世間が騒々しい状況にあるかと思うと、アピールへのアイデアをまったく捻出しようともしていない行政とはいかなるものか。それが仕事というものではないか! 絵も写真も無い、フローチャートも無く、形式的な記述に過ぎないホームページ。タイトルキャッチの「児童虐待をなくしましょう」が他人事のように感じられて悲しくなるが皆さんはどう思われますか?
 これでは異動がつきものの行政にあって、よほどの先進改革職員が現れない限り、行政の努力は表面的なものに終わっている可能性が高いと考えられてもやむを得ないだろう。前向きに変化、変更、変革を意識して職務に邁進する行政職員は少ないのが現実なのだろうか。そう思いたくはないのだが、この草加の実態はこれを示す一つの例だと思えてならない。それでも、直接相談員に会えば、何らかの解消策があるかもしれないし、温かい心根を持つ職員もいると信じ、藁にもすがるという言葉を現実にして行動してもらいたい。少なくとも鬼畜の親などというレッテルが貼られることのないように。
 話は変わるが、山口の周防大島で2日間行方不明になっていた藤本理稀ちゃんが今朝7時近くになって発見されたという。命に別状はないという以外まだ詳細は不明だがとにかくほっと安心した。2歳の子が2日間どうしていたのかは興味深いところだが、この種のニュースにはいつも心がざわめいてならない。